粉が発生する工場や現場の作業環境を改善し、従業員の健康や地球の環境を守るうえで欠かせないのが集塵機です。しかし、集塵機には多くの種類があり、せっかく選んだとしても集塵したい粉やガスの性状によっては適さない場合があります。
今回は、工場や作業現場で使う最適な集塵機を選ぶための3つのポイントを、集塵機メーカーの視点でご紹介します。
┃1.導入の目的
集塵機の役割は多様です。空気中に浮遊する粉を集める役割だけではなく、製品として使われる粉を回収したり、有害ガスや悪臭を吸収する目的で使われる場合もあります。
環境改善のために粉を集塵したいのか、原料の生産工程から製品用の粉を回収したいのか、健康被害から守るために有毒ガスを吸収したいのか。集塵機を必要としている「目的」が何なのか、まずは用途を明確にしてから集塵機探しをはじめましょう。
┃2. 粉やガスの性状
導入の目的が明確になったら、粉やガスの性状を把握します。集塵機には様々な種類があり、それぞれが得意とする用途や性状によって選択する集塵機が異なります。例えば、乾いた粉、湿った粉、粒子の細かい煙状の粉、あるいは有毒ガスといった性状の違いが、集塵機の捕集性能やフィルターの寿命にも関わります。そのため、これらを事前に正しく把握することが、最適な集塵機を選ぶうえで非常に重要です。さらに、集塵機は粉を含むガスから粉を集めるので、機器に影響するガスの温度や腐食性があるかなども確認する必要があります。
┃3.集塵機のタイプ
導入の目的と粉やガスの性状が把握できたら、集塵機のタイプを選びましょう。性状に応じてフィルターを使った乾式タイプや水を使った湿式タイプなどが選択の対象になります。ひとえに集塵機といっても様々なタイプがあるのですが、ここでは代表的な3つの集塵機のタイプをご紹介します。
- ①乾式集塵機(バグフィルター/マルチサイクロン)
「バグフィルター」は、代表的なフィルター式の集塵機です。粒子径0.1μmから捕集できるとされ捕集性能が高いため、最初の選択候補となる場合が多いです。粉の混ざったガスをフィルターでろ過し、きれいなガスを排気します。フィルターの形状は様々です。ろ過面積が多く取れて本体のサイズがコンパクトになるプリーツ型や、高温時にも使用できる円筒型、封筒の形をした平板型など様々あるので、用途によってフィルターを選択します。しかし、バグフィルターは乾いた粉を集塵する機器のため、ベタベタした付着性のある粉には不向きです。
「マルチサイクロン」は、強力な旋回気流で粉とガスを分離する遠心力式の集塵機です。遠心力で集塵するので真比重の軽い細かい粉は抜けてしまいますが、バグフィルターの前段に設置して粉の量が多い場合の粗取りや、バグフィルターでは使用できない高温ガスや火災対策を目的とした場合に選択されます。
- ②湿式集塵機
湿式集塵機は、水を使って粉を集塵し、ガスの吸収もできます。火の粉や蒸気、ミストやベタベタした付着性のある粉など、バグフィルターがニガテとする性状の粉や用途に対して選択されることが多いです。水に溶けるアンモニアや塩化水素、亜硫酸ガスといった水溶性の悪臭ガスや有毒ガスの除去にも使用されます。また、火災対策として導入されることも多く、バグフィルターではまれに起こることがある粉塵爆発を防ぐ目的で導入されることもあります。しかし、水と空気で混合された際に泡立ってしまう粉や、水に濡らしたくない粉の製品回収などには不向きです。排水処理といった水の管理も想定して導入を検討しましょう。
- ③電気集塵機
電気集塵機は、集めた粉に荷電し、電極板に引き寄せ付着させて集塵します。濃度の薄い白煙のような粉に最適です。工場で使用することはありますが、焼肉屋や喫煙所など商業施設で使われることも多いです。ファンの騒音が比較的静かでコンパクトな設計が可能なため、室内環境を清潔に保つのに適しています。ただし、電極の洗浄や定期的なメンテナンスが必要となるため、ランニングコストや設置環境も考慮して導入を検討しましょう。
┃まとめ
工場や作業現場における集塵機を導入する際は、適切な集塵機を選ぶことが、作業環境の改善や従業員の健康保護、さらには地球環境の保全につながります。紹介した3つのポイント「1.導入の目的・2.粉やガスの性状・3.集塵機のタイプ」を参考に、集めたい粉やガスに最適な集塵機を見つけてください。

弊社製品はすべてオーダーメイドです。
お客様の環境や集塵したい粉やガスに合わせ、イチから設計製造いたします。
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